三文芝居
日々の戯言を列ねていきます。
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妄想の2つ目
「弥子(ニィシー)!私の負けでいいから早く出てきなさい!」
夕暮れ時。
弥子は茂みの中に隠れてほくそ笑んだ。
かくれんぼに勝ったら少塾の宿題を教えてくれる約束なのだ。
美人で頭もいい叶絵は同い年だけれど、弥子にとっては姉のような存在だ。
「ニィシー!!」
叶絵の声に不安の色が混じる。
いくら大人びているとは言え、まだ数えで十に満たない子どもである。
心象を映したように天が群青を広げていくと、困り果てて立ち尽くしてしまった。
一方その頃の弥子も叶絵と同じく立ち尽くしていた。
しかし悲しいかな、理由はまるっきり正反対である。
固定された弥子の視線の先にはぐったりと転がった黒い生き物―――鳥である。
小さな弥子はこれまた開発途中の小さな頭脳をフル回転させて考えていた。
「焼豚みたいに焼いて…ううん、燻して燻製にしたりとか…あ、蒸して棒々鶏みたいにしたらいいかも!」
自他共に認める稀に見る大食らいの弥子の脳内で、鳥の行く末についての終点が決まると弥子はそろそろと鳥に近づいた。
手を伸ばし、触れようとしたところで声が掛かった。
「不触莫、蛆虫」
目蓋が開いて、鋭い眸が弥子を見上げた。
「え?」
「触るなと言っている。阿呆か、貴様」
鬱陶しそうに首をもたげてキョロリと眸を回す鳥に、弥子は絶句する。
が、次の瞬間、勢いよく鳥を抱き上げると一目散に叶絵の元を目指して駆け出した。
「叶絵(トゥアイ)~!」
夕暮れ時。
弥子は茂みの中に隠れてほくそ笑んだ。
かくれんぼに勝ったら少塾の宿題を教えてくれる約束なのだ。
美人で頭もいい叶絵は同い年だけれど、弥子にとっては姉のような存在だ。
「ニィシー!!」
叶絵の声に不安の色が混じる。
いくら大人びているとは言え、まだ数えで十に満たない子どもである。
心象を映したように天が群青を広げていくと、困り果てて立ち尽くしてしまった。
一方その頃の弥子も叶絵と同じく立ち尽くしていた。
しかし悲しいかな、理由はまるっきり正反対である。
固定された弥子の視線の先にはぐったりと転がった黒い生き物―――鳥である。
小さな弥子はこれまた開発途中の小さな頭脳をフル回転させて考えていた。
「焼豚みたいに焼いて…ううん、燻して燻製にしたりとか…あ、蒸して棒々鶏みたいにしたらいいかも!」
自他共に認める稀に見る大食らいの弥子の脳内で、鳥の行く末についての終点が決まると弥子はそろそろと鳥に近づいた。
手を伸ばし、触れようとしたところで声が掛かった。
「不触莫、蛆虫」
目蓋が開いて、鋭い眸が弥子を見上げた。
「え?」
「触るなと言っている。阿呆か、貴様」
鬱陶しそうに首をもたげてキョロリと眸を回す鳥に、弥子は絶句する。
が、次の瞬間、勢いよく鳥を抱き上げると一目散に叶絵の元を目指して駆け出した。
「叶絵(トゥアイ)~!」
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HN:
紫藍夕亜
性別:
女性
自己紹介:
最近、某様のおかげで紫藍(桃兎)夕亜が定着しつつある妄想だだ流れの管理人。
現在超絶不親切不定期更新中。
現在超絶不親切不定期更新中。
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