愛されたいのに愛されないのは、本当は誰も愛していないから。

思えば親に抱きしめてもらった記憶がない。
記憶がないだけで、あるのかも知れないけれど、覚えがないのは知らないのと一緒だ。
幼児期によくある、親に服を選んでもらったという話。
やっぱり私には覚えがないので、聞いてみると、母が選んでくれた服を嫌がったからだそうだ。
そしてそれ以来放任されてここまできた。愛されていないのではない。
愛されていたからこそ、自由だった。
母にとっては私は初めての子どもで、だからこそ私に拒絶されることを恐れた。
愛されていないとは思わなかったけれど、悲しかったのかもしれない。それすらもわからないのは、干渉されないことが当然だったから。
誉められるのが苦手だ。優しくされるのが苦手だ。触れられるのが苦手だ。
どうしたらいいのかわからない。
素直に、いい子に。
親にすら一線を引いて、それでいて甘やかされる代わりに中庸を徹底して。
無意識時に問題が在るのは愛情不足の裏返し。
何でもいい。
構って欲しい。
でも言葉や態度で現すことを知らないから、普段は聞き分けのいい子どものフリをする。
無自覚に。
無意識に。
抱きしめてもらえない子どもはかわいそう。
抱きしめてもらえることを知らない子どもはもっとかわいそう。
でも、抱きしめることが出来ない大人が一番かわいそう。
きっと、あなたが、愛を与えてもらえることを知らないから。
誰でもいい。
何でもいい。
言葉になんてしなくてもいい。
触れ合うことで伝わるものは、確かにあるのだから。
愛が無くても生きていける。
でも愛を知らなければ生きられない。

私は、あなたの愛を、確かに知っているから、今、生きています。

あなたのことが、だいすきです。




両親始め、私に関わってくれたすべての人へ。