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三文芝居

日々の戯言を列ねていきます。
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双狐のはなし

そして彼は願うのだ。


蘭はいつも朝日が昇るほんの少しばかり前に起床する。床を上げ、素早く着替えて隣で安らかな寝息を立てる少女を眺め、艶やかな黒髪に手を伸ばす。
少女は未だ深い夢の中を彷徨っている。
紅く、冥(くら)く、黒い夢を見ているのだ。柳眉は何かに耐えるように寄せられ、頬には涙の筋が残っている。彼は彼女の傍らに跪き、そのまろい頬をそっと撫でながら耳元に囁くのだ。
「燐は独りじゃないよ。みんな居る。僕がついているよ」
と。そうして新たに滲み出す涙を舐め取り、投げ出されて凍えた少女の手を握るのだ。

温めるように。
或いは縋るように。

二人はふたりきりだった。
それは紛うことなき事実である。しかし姉は社交家であるため、普段はそんな素振りおくびにも出さない。否、そんな意識すらないのだ。愛し愛されて育ったから。彼女は向けられる愛を肯定して生きてきた者の強さを持っていた。しかし時としてその強さが砂の城のように脆く崩れることがある。夢の中は彼女だけの世界でありながら、彼女の支配する世界ではないのだ。向けられる愛に対して素直に生きて来られなかった弱い彼は、彼女を通してしか世界を愛することが出来ない。だから彼は囁くのだ。その世界が安らかなものであるように。彼の世界が美しくあるように。
彼だけに許されたやり方で、世界に愛を示すのだ。

雨戸の隙間から朝日が差し込む頃、目を覚ました少女はその手に繋がる温もりを僅かに握る。
「おはよう、蘭」
彼はくすぐったそうに微笑うといつものように答えた。
「おはよう、燐」








幸福論


共作のSSなんだけど、なんか、ごめんなさい。
オチてないし、意味不だし。
あとタイトルと冒頭と内容が掛かってない。
最終的に何が言いたかったかと言うと、蘭は燐が居れば幸せだってことだね。少なくともあたしの、この双子感はそんな雰囲気。
て言うか、恋愛小説は男の愛がどれだけ深いかでその価値が決まるような気がする。ネウロとか、トワイライトのエドワードとか、ハウルとか。
みんな人外だね。ハウルは人だけど。
基本的に異種族恋愛が好きなんだもん。傷つけられる方よりも傷つける(傷つけざるを得ない)方が苦しんでると素敵。そんでそれを解った上で側にいる(マゾじゃない)となお素敵。爪と牙しか持たなくて、それを収めることもできないのに求めて、結果自分が傷ついても求めずにはいられない男が好き。そんでそれを呑み込めて、且つ強さを見失わない女の子はもっと好ましい。まんま美女と野獣。
紫藍はメルヘンなんだよ。脳内ファンシーなんだよ。バラ色虹色乙女色。
仕事なんて手につかん。

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紫藍夕亜
性別:
女性
自己紹介:
最近、某様のおかげで紫藍(桃兎)夕亜が定着しつつある妄想だだ流れの管理人。

現在超絶不親切不定期更新中。
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