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三文芝居

日々の戯言を列ねていきます。
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唐突にTOAよりルクティア。

旅の途中、あまり根を詰めすぎてもいけないからと息抜きに立ち寄ったケテルブルク。
この、雪降る幻想的な街の高台にあるホテルのロビーで、ティアは舞い落ちる白い欠片を眺めている。
知らず溜め息が漏れる。
今日までの人生のほとんどを魔界で過ごしてきたのだ。
写真や本で知っていたとはいえ、実物を目にするのはまだまだ数えるほどである。
厚い雪雲が街全体を覆って、常にどこか薄暗いケテルブルクを街灯が彩り、光を集めて積もる雪が更に色を添える様は言葉では言い表せない美しさだ。
飽きることなく景色を眺めていると、ティアの耳に小さな仲間の弱々しい声が届いた。
「どうしたのミュウ?」
確か遊びに行くと言って飛び出したルークに、ガイと一緒について行ったのではなかっただろうか。
「ミュウ~…ソーサラーリングが冷えて寒いですの~」
「ああ…」
確かにリングは金属製だから熱伝導が早くてすぐに冷えてしまったのだろう。
足元の聖獣の仔は主人の下に行きたいらしくそわそわしている。
ふと、ティアは傍らにタオルの存在を思い出した。
外に出た彼らはきっと濡れている筈だからと用意したのだった。
「ミュウ、ちょっとこっちへ来てくれるかしら?」
「ミュ?はいですの」
ちょこんと膝に乗ったミュウにフェイスタオルを巻きつけて、外れないよう上下の端を内側に折り込んだ。
「さぁ、これでリングは当たらないはずよ」
「ホントですの!あったかいですの!ティアさん、ありがとうですの!」
「…可愛いv」
金属的な光がなくなって、ますますモコモコとしたぬいぐるみ然としたミュウを、ティアが放っておける筈もなく。
抱きしめて頬を擦り寄せていると、突然小さな悲鳴と共に温もりがなくなった。
「ご主人様~」
ミュウの声に驚いて顔を上げると、ミュウの耳を掴んで持ち上げたルークがそこにいた。
見上げたその顔は高い天井の照明が影を落として暗い。
「ル、ルーク!止めなさい!」
「ミュウ、ちょっとどっか行ってろ」
そう言うとルークはミュウをボールよろしく投げつけた。
「ちょ…ルーク!なんてことするのよ!?」
ティアが思わず立ち上がりミュウの行方を追おうとすると、その腕を捕まれる。
「離して!」
「いやだ」
「な、どうし、て…きゃ!?」
そのまま引き寄せられて倒れ込んだのはルークの腕の中。
「ちょっと…何を」
驚いて振り払おうと身を捩るが、ルークはティアを離すまいとますます強く抱きしめてくる。
「もう、一体何なの?」
ティアが諦めてルークに凭れ掛かると、今度は腕を緩めて収まりのいい位置を探して抱き直す。
ルークはティアの肩に顎を載せると、漸く小さく息を吐いた。
「……い」
「…え?」
「っ、だから!寒いって言ってんだろ!?」
ルークが突然耳元で大きな声を出したので、ティアは身を竦ませて彼にしがみついた。
「そ…そんなの、だったら着替えればいいじゃない!腕やお腹が出てない服もあるんだから!」
早く、この状態をなんとかしなければ!
こんなところみんなに見られたらどうなるか。
想像しただけでも堪えられない。
確実にからかいまくられるに違いない。
ティアは今度こそ腕を突っ張ってルークから離れようともがいた。
しかし常に前衛で剣を振るっているルークと、ほとんど後ろで術技に徹しているティア。
おまけにあちらは男でこちらは女。
どう考えても腕力を盾にされては勝ち目などなかった。
簡単に腕を捕らえられて抱きすくめられる。
「居てくれるだけでいいんだ…」
「ルーク…」
「ティアが…ここに居るって、確かめたいだけだから」
ティアの肩に顔をうずめてルークが呟いた。
馬鹿。とティアは囁く。
瘴気の心配ももうないのだしと思う。
むしろ音素が乖離して消えてしまいそうなのは自分の方だというのに。
「あなたも…消えないで」
「…ああ。まだ、消えないさ」
お互いの形を確かめるように抱き合う2人を、5対の目が静かに見ていた。



「ああ…あの、ルーク坊ちゃんが…誰かに思いを伝えるなんて…」
「やぁっとくっついたよ~。ホンットじれったいんだからぁ~、あの2人」
「今回のミュウはまるでキューピッドですわね」
「ミュ?ぼく、ご主人様の役に立てたですの?」
「うんうん。ミュウのおかげだよぉ~!これでこっちがイライラする心配もなくなったね~」
「それはわかりませんよ~。なにしろ『あの』ルーク、ですから」
「はぅあ!じゃあ、もしかしたらあんなイイ感じになっちゃってるのに今までとおんなじ…むしろイライラ度アップってことも!?」
「可能性として高いでしょうね。ま、いずれにしてもこんなところにずっと居るわけには行きませんから戻りませんか?」
「そうだな。特に女性は体を冷やしたらいけないっていうし」
「まあ!わたくしたちを気にかけてくださいますの?」
「ガイってば、や・さ・し~v」
「やぁあ!止めろっ!俺にくっつくなぁ~~~!」
「いゃあ、ガイ~。両手に花とは羨ましいですね」
「たっ…助けてくれぇ~~~~!」





ああ、なんてもどかしいカップルなんだろうルクティア。
傷の舐め合いって言ったらそれまでだけど、手放しでハッピーエンドになれないところもいい。
あと何と言っても声優良かった。
子安まいしてぅ。
ジェイド=翡翠っていうのもなにやら運命感じる。
あと、身長高くて頭良くてドSなところとか。
あとガイ様華麗杉。
全私涙目。
アシュナタも悲恋杉。
てかもうみんな愛しい!


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紫藍夕亜
性別:
女性
自己紹介:
最近、某様のおかげで紫藍(桃兎)夕亜が定着しつつある妄想だだ流れの管理人。

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