忍者ブログ

三文芝居

日々の戯言を列ねていきます。
[314]  [313]  [312]  [311]  [310]  [309]  [308]  [307]  [306]  [305]  [304

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

平行線

なんとなく。
何故だか知らないけれど、魔人の子どもをこの身に宿す、という想像はしたことがなかった。というより、考えつきもしなかった。孤高の彼は何かと混じり合うことなど無く、唯一が故に貴く生き、唯一が故に孤独に朽ちて逝くのだと思っていた。それは今も現在進行形で、相変わらず心の何パーセントかを占めている。どれだけ直接肌を重ねても、彼にとっては私なんてただの観察対象。所詮モルモットと変わりない。でも、だからといって「はい、そうですか」と明け渡していい身体じゃない。一応それなりに理想だってあるのだ。だけど、相手が悪かった。アイツは反抗を許すようなヤツじゃない。逃れる術を持たない私は呆気なく蹂躙された。

最初は絶望したりもした。自分が何か別のものになってしまう気がして恐ろしかった。それでも『慣れ』の方がよっぽど恐ろしく、そういう行為はいつしか日常に成り下がってしまった。結局諦めてしまえば案外どうにでもなるもので、犬に咬まれたようなものと思えば受け入れてしまえる自分に呆れたりもした。詰まるところ、『ネウロ』という存在を受け入れてしまっているがために、拒絶するという選択肢を放棄してしまったのだった。

不毛な関係だ。お互いに個体として完結しているばかりに化学変化を起こして新しいものを生み出すことも無ければ、状態が変わるわけでも無い。まるで犬と猫がじゃれあっているみたいに、何も発展するものの無い関係。精神に関わるのはいつも自分自身でしかないのだから、発生するものはゼロだ。

「かわいそう、だね」
「いい身分だな。家畜の分際で我が輩を憐れむとは」

ねえ、私は愛してあげられるんだよ、あんたのこと。
媚声と一緒に飛び出てしまいそうな言葉を流し込まれる唾液と合わせて飲み下す。与えられる刺激は着実に私を高みへ押し上げるのに、何パーセントかの冷静な思考が終点を遠ざける。かわいそうに。分類名称に『人』とつくのなら、心を分けあえるなら、私は、ちゃんと、愛せるのに。

好意ならあるのだ。私の方には始めから。だからこそ我慢もできるし、許すこともできる。ただ、名もない関係で終わってしまうには近づきすぎてしまった。決して混じり合わない心と身体では、何も残すことができないことが悲しい。




なんだろ。平行線は悲しいって話なのになんか不完全燃焼。

拍手[2回]

PR
Submit Comment
name
title
color
mail
URL
comment
password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
HN:
紫藍夕亜
性別:
女性
自己紹介:
最近、某様のおかげで紫藍(桃兎)夕亜が定着しつつある妄想だだ流れの管理人。

現在超絶不親切不定期更新中。
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
[11/07 ミリュウ]
[12/30 柳沢セイ]
[12/25 ミリュウ]
[11/13 ミリュウ]
[11/05 ミリュウ]
忍者ブログ [PR]
Template by repe